亜硫酸ナトリウム

 亜硫酸ナトリウムとは、亜硫酸のナトリウム塩のこと。亜硫酸ソーダとの別名もある。工業的には硫化鉱や硫黄の燃焼時に生じる二酸化硫黄を、炭酸ナトリウムないし水酸化ナトリウム水溶液に吸収させて作られる。

 性質はアルカリ性で、水によく溶けるがアルコールには溶けない。その他、強い還元作用があることが特徴である。

 これらの働きから、染料の製造、パーマネントウェーブ用第1剤、皮革のタンニン溶解剤、染色助剤、漂白剤、写真現像定着助剤、医薬品などに使用されている。

 パーマネント剤では毛髪中のシスチン結合を切断する還元剤として配合されている。しかし亜硫酸ナトリウムは、他の還元剤であるチオグリコール酸塩類やシステイン系とは構造が異なる。チオグリコール酸塩類らが分子内に-SH基をもっているのに対し、亜硫酸ナトリウムはもっていない。ではどうするかというと、亜硫酸ナトリウム自体で直接還元作用を行い、-Sとイオン結合でブンテ塩を作ることで、シスチン結合を切断する。構造だけではなく仕上がりにも違いがあり、マイルドな仕上がりになるシステイン系よりもさらに柔らかな手触りが得られる。

 副作用ではアレルギーが報告されている。