ひまし油

 ひまし油とは、トウダイグサ科のトウゴマ(ヒマとも呼ばれる)の種子から採油される油脂。主成分はリシノール酸(80~90パーセント)。その他、オレイン酸(7~10パーセント)、リノール酸(3~4パーセント)、飽和脂肪酸(2~3パーセント)を含む。

 このひまし油の特徴は、アルコールに溶けやすいことと、柔軟効果があること。このため合成界面活性剤・保護剤・油剤として、化粧水、石鹸、口紅、マニキュアなどに使われている。ヘアトニックやヘアミストなどのエタノールが多く含まれているヘアケア製品やポマードにも使用されている。

 リシノール酸には、自立神経を正常化する働きや、免疫機能の向上、抗菌作用、細胞についた老廃物や毒素を取り除く作用がある。下痢をおこす働きもあることから、内服薬として下剤に使われている。また民間療法として、ひまし油の湿布は肝臓の解毒ができるとされている。

 このように様々な働きのあるひまし油だが、アレルギー成分でもあるため肌に合わない方もいる。下剤として服用する場合は特に留意し、妊娠ないし授乳中の方は、使用の前に、医師か薬剤師に相談した方がよい。