冬虫夏草(とうちゅうかそう)は、コウモリガに寄生するキノコの名称である。名の由来は、このキノコが冬は虫の中に潜み、夏になると草のように伸びることからきている。コウモリガ以外の昆虫に寄生するものは「虫草」と呼ばれるが、日本では虫草も含めて冬虫夏草と呼ばれている。この冬虫夏草から抽出された成分を冬虫夏草エキスという。
その成分には18種類のアミノ酸や、ビタミン、ミネラル、多糖体、ステロール類などが含まれている。これらの総合的な働きには滋養強壮や免疫力の向上。心肺機能の強化、血糖値や高脂血症の改善などがあり、漢方薬に用いられている。また、抜け毛の原因となる男性ホルモンの抑制効果もあることから育毛剤にも使用されている。
冬虫夏草は、古くは中国で、清の時代から重宝されていた。日本では江戸時代から渡来したが、当時は大変貴重品でなかなか手に入らなかった。近年は人口栽培法が確立され、生産も容易になったことで、健康食品にも使用されている。
副作用は特に報告されていないが、摂取により、まれに口の渇きや不眠などの症状が出る場合もある。