合成香料とは、化学反応を用いることで作られる香り物質である。その種類は膨大で3000以上あるが、世界市場で取引されるものは、このうちの500種類ほど。
天然香料が自然界の動植物から香り成分を採取するのに対し、合成香料は、石油化科学工業、石炭化学工業、パルプ工業などから入手する石油系やコールタール系の化合物を使用する。ただ、それらはあくまで代表的な原料とされているだけで、香り成分さえ得られれば、どんな原料でも利用される。
さらに天然香料との違いを挙げると、天然香料は産地や、その地の気象状況などによって香り、コストが異なってしまうのに対し、合成香料は品質のバラつきがなく、大量生産を行うことから比較的安価に供給される。
用途は天然香料と同じく製品に香りを付与すること。フレーバーとして食品に添加されたり、フレグランスとして石けん、香水、化粧品、芳香剤などに広く使用されている。特に香水は、合成香料の出現により、それまで上流階級の人しか手に入らなかったのが、一般の人たちにも手が届くようになった。
副作用としては、保香のために配合されているフタル酸エステルという保留剤に、環境ホルモンや生殖異常の疑いがあったり、その他にも、うつ病、不眠症を引き起こすという説も出ている。(使用画像はイメージです)