ミノキシジル

 ミノキシジルは、もともとは1970年代(昭和45年から55年)にアメリカで開発された、悪性高血圧症に対する経口血圧降下剤であった。しかし、使用後に患者の全身の毛が濃くなったことから、育毛成分としての研究が実施され、その結果、脱毛症に有効であることが認められた。これを受け、1980年代(昭和55年から65年)にアメリカのアップジョン社(現ファイザー社)が発毛剤「ロゲイン」を販売。日本でも1990年(平成2年)に大正製薬の手により「リアップ」が販売された。

 ミノキシジルには男性型脱毛症(以下AGA)に対し、高い治療有効率が証明されており、頭皮に塗布ないし内服することにより、血管の拡張、血流の増加、毛乳頭がより多くの栄養を吸収、毛根の活性といった効果があらわれる。同じくAGAに効果的な有効成分で、脱毛抑制を主にする経口育毛剤フィナステリド(商品名プロペシア)とは異なり、直接毛母細胞に働きかけ、発毛を促進させることが特徴だ。

 ミノキシジルの使用にあたり、副作用が発症する可能性はきわめて低いが、まれに頭皮のかぶれや痒み、湿疹などの症状があらわれることもある。高血圧症の治療を受けている方や低血圧の方、また妊婦や授乳中の方は利用を避けたほうがよい。