グリチルリチン酸

 グリチルリチン酸とは、カンゾウ(甘草)の根から抽出される成分である。このグリチルリチン酸とカリウム塩で構成された物質が、グリチルリチン酸ジカリウム。別名グリチルリチン酸2kである。ステロイドに似た構造を持っている。

 グリチルリチン酸には優れた抗炎症作用、抗アレルギー作用、細菌発育阻止があることから、肌荒れ緩和やニキビなどの皮脂の分泌の抑制、消炎を目的として、医薬品や口紅、マッサージクリームなどの化粧品に多く使用されている。ヘアミスト・シャンプーをはじめとしたヘアケア製品にも使われており、頭皮の炎症緩和や、脱毛予防、フケ・かゆみを抑える効果がある。また、甘味料として飴やタバコの味付けに使用されている。

 天然由来の成分であることから、長期間使用しても悪影響はほとんどないとされていた。しかし、近年、アルデステロン様作用と呼ばれる、高血圧やむくみを誘発する副作用があることが認められた。そのため日本では、一日200ミリグラムの摂取制限が設けられている。