リモネン

 リモネンとは、みかんやオレンジ、レモンなどの柑橘類の皮から、採取・生成される天然の油成分。柑橘系の香りがする無色の液体。分子式は同じだが、性質の異なるd-リモネン、i-リモネン、ジペンテンの3種がある。d-リモネンはレモン・オレンジなどに、i-リモネンはスペアミント・はっかなどに、ジペンテンはテレピン油などに含まれている。

 製品に香りを付加することを目的として各種柑橘油と併用されるが、そもそもリモネンには、油汚れを落とす優れた働きがある。このため洗浄成分として香りづけ以外にも活用されており、石けん、洗剤、化粧品、芳香剤などに使用される。食品に利用されることもあり、この場合は香料として用いられる。

 洗顔においては、一般的な界面活性剤を用いた場合、肌表面の油分も脱脂される傾向が強く、それが肌の保湿力の低下にもつながる。そこで界面活性剤の代わりにリモネンを用いると、皮膚表面の汚れや、古い皮脂のみを落とすことができる。

 リモネンは酸化すると皮膚への刺激が強くなる。また、ヒドロペロキシドというアレルギー起こす原因にもなる成分が形成されるため、管理にあたっては酸化しないように注意が必要である。(使用画像はイメージです)