コメ胚芽油

 コメ胚芽油とはイネの種子から抽出される粘性のオイルである。原料は米ぬか。主成分はトリグリセリドで、γ-オリザノールを筆頭に、トコフェノール、トコトリエノール、植物ステロールといった有効成分を多く含んでいる。その他にも、オレイン酸やリノール酸、ビタミンAやビタミンBなども豊富である。

 これら成分の総合的な働きは、血行促進効果、保湿効果、消炎効果、柔軟効果、肌機能活性効果などがある。肌を健康で柔軟にし、感想や紫外線から肌を守る目的から、各種クリーム、美容液、乳液、オイル製品に使用されている。化粧品以外では、揚げ物や炒め物の際の調理油として用いられている。

 体に好影響を与えるコメ胚芽油だが、その性質には、上記のγ-オリザノールの働きが特に関っている。このγ-オリザノールは、コメ油に含まれている特有の成分で、高酸化作用を有し、病気の大きな原因にもなる活性酸素を除去する働きがある。そのためγ-オリザノールは、向精神薬や中枢作動薬などの医薬品に使用されており、老人性痴呆症、動脈硬化、脳軟化症の治療に効果を発揮している。また、近年の研究で、アレルギーの発症を抑制することも明らかにされた。

 使用にあたり、副作用はほとんど報告されていないが、植物由来の成分であるため、アレルギーをおこす可能性もある。(使用画像はイメージです)