パルミチン酸K

 パルミチン酸Kとは、合成界面活性剤の一種。ヤシ油やパーム油などの植物油に多く含まれるパルミチン酸をアルカリ反応させることで作られる、パルミチン酸のカリウム塩。パルミチン酸カリウム、ヘキサデカン酸とも呼ばれる。白色~微黄色の粉末ないしフレーク状で、水、エタノールに溶ける。

 パルミチン酸は肌への浸透がきわめて高い脂肪酸で、ビタミンCのおよそ10倍の浸透性があるといわれている。そのカリウム塩であるパルミチン酸Kも肌によく馴染み、加えて優れた洗浄力を有している。ただし、常温ではあまり水に溶けず、気泡力も弱い。パルミチン酸Kが洗浄力を発揮するのは、むしろ高温下である。

 主に洗浄剤、乳化剤として、洗顔料やボディーソープに配合される他、石けんの原料(石けん素地)にも用いられている。

 ちなみに石けんの原料にはパルミチン酸K以外に、ラウリン酸K、ミスチリン酸Kなども主成分に使われている。これらはパルミチン酸Kと同様、自然界に生息する植物油から精製されている。天然成分であることから、どれも肌に優しい。 皮膚毒性もなしとされており、副作用も特に報告されていない。(使用画像はイメージです)