加水分解カゼイン

 加水分解カゼインとは界面活性剤の一種。牛乳や豆類に含まれる複合タンパク質であるカゼインを、加水分解することで得られる。ミルクプロテインとも呼ばれる。

カゼインは牛乳中には約3パーセント含まれており、タンパク質を構成する主要要素となっている。通常はカルボキシル基やリン酸基と結合したカルシウムと複化合物をつくり、コロイド状に分散している。組成はグルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、チロシン、ロイシンなどアミノ酸を豊富に含んでいる。

 加水分解カゼインは保湿力に優れ、毛髪や皮膚にうるおいを与える効果がある。さらに他の界面活性剤から肌を保護する働きも持つ。

 化粧品では、界面活性剤、保湿剤として、美容液、乳液、洗顔料、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、パーマ液などに配合されている。化粧品以外ではプロテインにも用いられている。

 加水分解カゼインの歴史は古く、はるか4千年ほど前のエジプトで洗顔料として使われていた。

 副作用は特に報告されていないが、カゼインはアレルギーの原因になりやすい成分と考えられている。

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