トレハロース

 トレハロースとは、ぶどう糖の2分子が結合した成分で、動植物や微生物に含まれている天然の糖質。特にパン酵母やビール酵母などの酵母類に多く含まれている。白色の結晶ないし結晶性の粉末で、感触はさらっとしており、水にもよく溶ける。甘さは砂糖の45パーセントほど。

 その特徴は、保湿性・保水性に優れることで、乾燥した環境から細胞を保護する働きがある。硫酸化した硫酸化トレハロースは、角質層の水分保持機能を高める効果もある。

 これらの働きから、主に保水・保湿を目的として、化粧水、乳液、クリーム、美容液などに配合されている。食品加工にも利用されており、その場合は食品を長持ちさせる働きもある。近年は、医療薬としての活用も検討されている。

 トレハロースの存在が科学的に明らかになったのは、1832年(天保3年)。以降、様々な方面から研究がなされたが、トレハロースの抽出は最大の課題であった。この問題が解決されたのは1994年(平成6年)に、微生物・酵素技術を用いた「でんぷんからの量産」に成功したことによる。製造が容易になったことで価格も大幅に下がり、利用が広まった。

 副作用としてはアレルギーが報告されている。(使用画像はイメージです)