酢酸エチル

 酢酸エチルとは、代表的なエステルの一種。無色透明の液体で、果実に似た芳香をもつ。酢酸とエタノールとを少量の硫酸のもとで加熱することで生成される。自然界ではバナナやイチゴ、パイナップルに多く含まれている成分で、ぶどう酒や日本酒にも微量だが含まれている。

 その性質は、他のエタノールやエステル、ベンゼンなどの有機溶媒との馴染がよく、水にもかなり溶ける。様々な有機物を溶かす働きが強いため、溶剤として利用するのが一般的。

 化粧品の場合は、被膜形成剤であるニトロセルロースを溶かし、ネイルエナメルのベースを早く乾かしたり、流動性を高めるためにマニキュアなどに配合されている。

 溶剤以外では、香料として、果汁、果実エッセンス、菓子などに使われている。

 単体での酢酸エチルは、揮発性が高く、引火しやすい。また、吸入すると、麻酔作用や、気道、呼吸器の障害を起こすため、使用にあたっては注意が必要である。マニキュアなどに含まれている場合でも、においを嗅いだりするのは、健康上よくない。(使用画像はイメージです)