クエン酸アセチルトリブチル

 クエン酸アセチルトリブチルとは、クエン酸エステルの一種。トリブチルエステル、アセチルクエン酸トリ-n-ブチル、アセチルクエン酸トリブチルとの別名もある。

 無色の液体で味はない。有機的な溶剤の多くによく溶けるが、水には溶けない性質をもつ。

 主にポリ塩化ビニールやセルロースの樹脂と合成ゴムの可塑剤(柔軟性、安定性を高めるもの)として、食品フィルムなどの包装材料や医療用製品、板材、セルロースの塗料、玩具などに使われている。包装材料としては特に実績が認められており、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)にも認可されている。

 化粧品では、添加剤としてマニキュアなどの製品に配合されている。

 クエン酸アセチルトリブチルは毒性がないため、副作用もほとんど報告されていない。ただクエン酸自体には、口からの摂取でまれに下痢や吐き気などの胃腸障害を起こしたり、外用剤としての使用で日光や紫外線による過敏症など、いくつかの副作用が報告されている。(使用画像はイメージです)