グンジョウ

 グンジョウとは染料、顔料の一種。紛体で、深青色からピンクに近い色まである。別名はウルトラマリン。

 古くは半貴石ラピスラズリを粉末にすることで作られていたが、1828年()に合成法が考案され、そのおかげで、大変高価であったグンジョウも、広く一般的に利用されるようになった。現在ではイオウ、ケイ酸アルミニウム、カーボンブラックなどを原料として工業的に製造されている。

 性質は耐熱性・耐光性が高い、着色力はそれほど強くない、酸には弱いがアルカリやアルコールには強いことなどが挙げられる。

 化粧品では、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、アイブロウ、口紅などメイクアップ製品に広く配合されている他、石けんの着色にも用いられている。

 かつてラピスラズリから得ていた頃は、刻像や宝飾品などの造形物や絵画などの顔料に使われていた。

 本成分の皮膚毒性は知られていないが、吸入すると鼻や肺に障害を起こすとされているので、化粧品に入っている場合でも直接においを嗅がない方がよい。また、日光にあてるとイオウが揮発するため、保存にも注意が必要である。(使用画像はイメージです)