液状ラノリン

 液状ラノリンとは、ラノリンと呼ばれる成分(羊毛からウールに仕上げる際に副産物として取れる羊脂)から固形物質を取り除き、液状物質だけを抽出したもの。淡黄褐色の粘りのある液体。

 人間の皮脂に近い成分であることから皮膚との馴染みもよく、また浸透性も高い。さらに水分保持力にも優れ、肌の保湿に大きな効果を発揮する。抱水力の面だけを見ればラノリンの方がよく水を保持できるのだが、その後の湿潤性は液状ラノリンの方がずっと優れているため、化粧品ではラノリンより液状ラノリンが多く利用される。

 肌に潤いを与えるエモリエント剤、乳化安定剤、色素の溶化剤として、口紅やリップ、チーク、乳液などによく配合されている。頭皮の保湿にも大きな効果が見込まれることから、シャンプー、リンス、トリートメントなどのヘアケア製品に使用されることも多い。

 ちなみにラノリンには、液状ラノリンの他に精製ラノリン、ラノリンンロウ、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ラノリン脂肪酸オクチルドデシルなど様々な種類がある。

 副作用としては、接触皮膚炎などのアレルギーが報告されている。そのため旧指定成分になっている。(使用画像はイメージです)