デキストラナーゼ

 デキストラナーゼとは、デキストリン(でんぷんを加水分解する過程でできる様々な生成物)を分解する酵素である。デキストリンのα-1,6-結合の主鎖結合を分解するエンド型とエキソ型の2種、およびα-1,3-結合の側鎖を分解するイソマルトデキストラナーゼの、合わせて3種がある。

 歯に附着する歯垢、これもデキストリンであり、デキストラナーゼはその歯垢を分解し、虫歯を予防する成分として歯磨き粉に配合されている。近年は歯磨き粉のみならず、虫歯予防を主目的としたガムにも配合されている。

 化粧品以外では、サトウキビから砂糖を製造する過程において用いられている。製造中の砂糖にはデキストランが生成され、それにより砂糖の結晶化を妨げてしまう。そこでデストラナーゼを加えることで、容易に砂糖を作ることができる。

 歯磨き粉に戻るが、歯磨き粉にはデストラナーゼなど虫歯予防の成分の他にも、歯周病予防・知覚過敏予防などの薬用成分、清掃剤、発泡剤、香味剤など様々な成分が入っている。用途によって配合される成分の種類や量も違うので、自分に合った歯磨き粉を選ぶのがよい。(使用画像はイメージです)