トラネキサム酸

 トラネキサム酸とは人工合成されたアミノ酸の一種。プラスミンという血液を溶かし炎症を引き起こす物質を抑制する働きがあり、このことから抗プラスミン薬とも呼ばれる。

 このプラスミンは血液を溶かすだけでなく、アレルギー、炎症、シミにもかかわっている。トラネキサム酸はそのいずれにも改善効果を発揮する。このことから幅広い製品に利用されている。

 まずオーラルケア製品。歯茎からの出血や歯肉炎など歯周病予防に効果的な成分として歯磨き粉、洗口液に配合されている。ちなみに歯周病に効果があることを発表したのは1981年(昭和56年)。日本歯周病学会誌に掲載された。

 次に化粧品。これは主に美白やシミ対策を目的として乳液などのスキンケア製品に配合されている。

 それら以外では、主に医薬分野で利用されており、湿疹、じんましん、のどの赤みや腫れ、口内炎などの外用薬として用いられたり、皮膚科ではシミの治療にも応用されている。

 トラネキサム酸は安全性の高い成分とされており、副作用もほとんど報告されていない。