フッ素

 フッ素とは原子番号9番のハロゲン族元素。記号ではFと表記される。淡黄緑色の気体で刺激臭があり有毒。天然には蛍石・氷晶石などとして存在するが、実は人間の体(特に骨や歯)、地殻、海水、動植物など、あらゆるものに微量に含まれている。工業的には銅、モネル合金または鋼、炭素材料を用いた電解法によって作られる。

 フッ素は健康な歯を維持するのに大変効果的な成分と考えられている。その理由は、フッ素には歯の再石灰化を促進させたり、歯のエナメル質に触れることでエナメル質の結晶が強く硬くなったり、虫歯菌が酸を作るのを抑制する働きがあるからだ。

 これらの理由から、薬用成分として歯磨き粉に広く配合されている。今日では歯磨き粉に欠かせない成分になっており、市販されている歯磨き粉のおよそ90パーセントに使用されている。

 それ以外では、フッ化ウランやフッ化硫黄の製造に用いられたり、ガラス、陶磁器の乳白剤、うわぐすり、防腐剤、殺虫剤にも使用されている。

 フッ素には毒性があるが、歯磨き粉を含め普通に使用している分には何の問題もない。ただし、多量に取りすぎると吐き気や腹痛などの症状が現れるので、用量には注意が必要である。(使用画像はイメージです)