キシリトール

 キシリトールとは、樺や樫などの樹皮、サトウキビの搾りかすなどから得られる天然の甘味料の一種。五炭糖の糖アルコール。キシリットとも呼ばれる。白色の結晶ないし粉末で、においはなく甘みがあることが特徴。その糖度はすべての糖アルコールの中で最もあり、砂糖と同等の甘味度である。しかしカロリーは砂糖の四分の三ほど。日本では1997年(平成9年)に食品添加物に指定された。

 そのキシリトールには、摂取することで唾液の分泌を促し、それによって口腔内のカルシウムを増やし、歯のエナメル質が溶けるのを防いだり、歯垢や虫歯菌を減少させる作用がある。そのことから歯磨き粉、洗口液に配合されたり、ガムやキャンディーなどにも使われている。

 その他に、保湿性が高く、かつ使用時のベタつきが少ないことから、保湿剤、保潤剤として乳液、クリーム、美白クリーム、ローションなどの化粧品にも配合されている。

 体内に吸収されると、肝臓でグリコーゲンやグルコースに変えられるが、インスリンの作用を介さず血糖にも影響を与えないため、糖尿病の食事や術後の輸液にも利用される。

 キシリトールの安全性についてはWHO(世界保健機関)でも認められている。しかし多量に摂取するとお腹がゆるくなったり、下痢を起こす場合もあるので、用量には注意が必要である。(使用画像はイメージです)