「GABA配合」
最近、チョコレートや飲料、サプリメントのパッケージで、この4文字をよく見かけませんか?
なんとなく「ストレスに良さそう」「リラックスできそう」というイメージはあるものの、その正体や具体的な効果については、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
GABA(ギャバ)は、ストレス社会を生きる私たちにとって、非常に頼もしい味方となってくれるスーパーアミノ酸の一種です。
この記事では、今さら聞けないGABAの基本から、科学的に報告されている嬉しい効果、そして日常生活での賢い取り入れ方まで、分かりやすく深掘りしていきます。
GABA(ギャバ)の正体とは?脳に備わった「ブレーキ役」

GABAとは、「Gamma-Amino Butyric Acid(γ-アミノ酪酸)」の頭文字をとった略称です。実はこれ、特別な物質ではなく、もともと私たちの脳や脊髄に存在し、神経の興奮をコントロールする重要な役割を担っている「抑制性の神経伝達物質」です。
私たちの脳内には、情報を伝達するために働く様々な神経伝達物質が存在します。車に例えるなら、アクセルのように神経を興奮させるもの(グルタミン酸など)と、ブレーキのように興奮を鎮めるものがあります。
GABAは、この脳の「ブレーキ役」として、過剰な神経活動を抑え、高ぶった心を落ち着かせてくれるのです。ストレスによって脳がオーバーヒート気味になっている時、GABAはこの興奮をクールダウンさせ、心身をリラックスした状態へと導いてくれます。
GABAに期待できる!科学的根拠のある4つの効果

GABAの「ブレーキ役」としての働きは、私たちの心と体に様々な嬉しい効果をもたらします。
効果①:ストレス緩和とリラックス効果
GABAの最も代表的な効果です。精神的なストレスを感じると、脳は興奮状態になります。GABAを摂取すると、この過剰な興奮が鎮まり、イライラや不安感を和らげてくれることが研究で報告されています。
大事なプレゼンの前や、緊張する場面の前にGABAを摂取することで、リラックスして臨むためのサポートが期待できます。
効果②:睡眠の質の向上
「ベッドに入っても、考え事がグルグルして眠れない…」そんな経験はありませんか?これも脳が興奮しているサイン。GABAは、この脳の興奮を鎮めることで、心身を眠りにつきやすい状態へと導きます。
さらに、睡眠中のリラックス状態を維持し、深い眠り(ノンレム睡眠)の時間を増やすことで、睡眠の質そのものを高める働きも報告されています。翌朝のスッキリとした目覚めや、日中の眠気の軽減にも繋がります。
効果③:血圧が高めの方の血圧を下げる
ストレスを感じると、自律神経のうち「交感神経」が優位になり、血管を収縮させるホルモンが分泌されて血圧が上昇します。GABAは、この交感神経の働きを穏やかにし、血管の緊張をほぐすことで、高めの血圧を正常値に近づけるのを助ける機能が報告されています。
この効果は、機能性表示食品として多くの製品で認められており、健康診断で血圧を指摘された方々からも注目を集めています。
効果④:活気・活力感の向上
リラックス効果と聞くと、「ぼーっとしてしまうのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、GABAには一時的な気分の落ち込みを和らげ、前向きな気分や活力をサポートする効果も報告されています。
これは、ストレスによる精神的な疲弊感が軽減されることで、本来持っているやる気や元気を取り戻しやすくなるためと考えられます。
GABAを上手に摂取する方法

では、どうすればGABAを効率的に摂取できるのでしょうか?
① 食品から摂る
GABAは様々な食品に含まれています。日々の食事に意識して取り入れてみましょう。
- 野菜・果物: トマト、パプリカ、なす、かぼちゃ、メロン
- 穀物: 発芽玄米
- 漬物・発酵食品: キムチ、ぬか漬け
- その他: きのこ類、じゃがいも
特に、トマトや発芽玄米は含有量が多いことで知られています。
② サプリメントや機能性表示食品を活用する
ストレス緩和や睡眠、血圧の改善といった特定の効果を期待する場合は、研究で効果が確認された一日あたり28mg〜100mg程度のGABAを継続的に摂取することが推奨されています。
これを毎日の食事だけで摂るのはなかなか大変。そのため、目的が明確な場合は、含有量が明記されたサプリメントや機能性表示食品を活用するのが効率的です。チョコレートやドリンク、ゼリーなど、ライフスタイルに合わせて手軽に取り入れられる商品がたくさんあります。
GABA摂取の際の注意点
GABAは食品に含まれるアミノ酸の一種であり、適切に摂取する限りにおいて安全性の高い成分です。ただし、一度に大量に摂取すると、一時的に胃の不快感などを感じることがあります。製品に記載された目安量を守りましょう。
また、降圧剤(血圧を下げる薬)を服用している方は、GABAの血圧降下作用と相まって血圧が下がりすぎる可能性があります。必ず事前にかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
まとめ
GABAは、私たちの脳に元々備わっている、心と体のバランスを整えるための重要な「ブレーキ役」です。
- ストレスや不安を感じるとき
- ぐっすり眠って、スッキリ起きたいとき
- 高めの血圧が気になるとき
そんな現代人が抱えがちな悩みに、GABAは優しく寄り添ってくれます。
まずは、いつもの白米を発芽玄米に変えてみたり、食卓にトマトを使った一品を加えてみたりすることから始めてみませんか?
GABAを賢く味方につけて、穏やかで健やかな毎日を送りましょう✨。
※本記事は情報提供を目的としており、医師の診断に代わるものではありません。症状が改善しない場合や、薬を服用中の方は、専門の医療機関にご相談ください。