ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム

 ラウリル硫酸ナトリウムとは、ドジデル硫酸ナトリウムとの名称をもつ中性界面活性剤の一種である。もともとは業務用の脱脂剤や床の洗浄剤であり、極めて高い脱脂力・洗浄力を有することから、歯磨き粉やアルコール系シャンプーに使用されている。日本では認可されていないが、食品添加物の乳化剤などにも使われる場合がある。 

 ラウレス硫酸ナトリウムとは、ラウリル硫酸ナトリウムの分子量を増やし、刺激性を緩和させたものである。ポリオキシエチレンラリウルエーテル硫酸ナトリウムとも呼ばれる。こちらも主に洗浄剤として、シャンプーやボディソープ、洗顔料などに使用される。

 ラウリル硫酸ナトリウム・ラウレス硫酸ナトリウム。そのどちらも安全性においては高いとはいえない。ラウリル硫酸ナトリウムが皮膚に付着すると、皮脂膜が剥がされ、肌が傷つくことが報告されている。また、ラウリル硫酸ナトリウムは身体に吸収されやすいため、内臓器官に悪影響を与える場合もある。ラウリル硫酸ナトリウムを含むシャンプーを利用した場合、病気の治癒が遅れたり、目に強い刺激を与えることが認められている。

 刺激を弱めたとはいえ、ラウレス硫酸ナトリウムも危険性においては同様である。育毛や身体の健康に対して、決してよい成分ではないため、使用にあたっては、注意が必要である。