加水分解ケラチンとは、表皮の角質層や爪、毛髪などにも含まれるケラチンタンパク質を加水分解した成分である。ケラチンタンパク質には含硫アミノ酸のシスチンが多く含まれており、このシスチンの結合を分断し、酸、アルカリ、酵素などで加水分解する。水溶液と粉末のものがあり、それぞれ加水分解ケラチン液、加水分解ケラチン末との名称で呼ばれている。水溶液は淡黄色から褐色で、わずかに匂いがある。
加水分解ケラチンは、上記のとおり、皮膚や毛髪などにも含まれていることから人体との相性も良く、皮膚や毛髪のコンディショニングを目的とした皮膚・爪・ヘアの各種コンディショニング剤に使用されている。また、界面活性剤として、乳液、クリーム、美容液、育毛剤などに配合されている。
毛髪に対する具体的な効能は、毛髪の損傷部に浸透することで表面の保護をし、髪にハリと弾力を与えることである。
加水分解ケラチンの安全性は高く、2011年(平成23年)現在、副作用も報告されていない。