パラフェニレンジアミン

 パラフェニレンジアミンとは、白髪染め、ヘアカラー、ヘアダイなどの酸化染毛剤の原料となる代表的な成分。ジアミノベンゼン、パラミン、p-ジアミノベンゼンとも呼ばれ、PPDとの略号もある。アミノ基の相対的位置によってo-、m-、p-の3種の異性体があり、結晶体の色や水、アルコールなどへの溶けやすさが、それぞれ微妙に異なる。

 酸化染毛剤としてのパラフェニレンジアミンは、毛皮質や毛髄質に浸透すると、そこで酸化・発色する。さらに毛髪を構成しているケラチンタンパク質と結びつくことで色が落ちにくくなる性質もある。

 ちなみにこの酸化染毛剤とは、薬事法で医薬部外品に指定されているもので、その中でも永久染毛剤に区分されている。永久といっても色持ちがずっと続くわけではなく大体2~3ヶ月程度。ただし同じ永久染毛剤である、多価フェノール類や金属イオンを原料とした非酸化染毛剤に比べると長く持つ。また非酸化染毛剤が黒っぽい色にしか染められないのに比べ、酸化染毛剤は明るい色に染めることが可能である。

副作用としては、肌のかぶれやアレルギーが報告されている。